フランス文化の歴史地理学

フランス文化の歴史地理学

概要

フランス文化の歴史地理学』は,フランス地理学派が形成されてから100年にわたって蓄積されてきた歴史地理学的な研究成果が,初めて集大成された一冊です。フランスはどのようにしてフランスになったのかという核心的な問いに対して明快な回答を与えています。
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説明

訳者プロフィール

  • 手塚 章:1951年神奈川県生まれ。筑波大学生命環境科学研究科教授,理学博士。著訳書に『地理学の古典』,『続地理学の古典—フンボルトの世界』,『地理学講座4—地域と景観』(共著),『パリ大都市圏—その構造変容』(共編著),『政治地理学入門』(単訳),『フランス文化と風景』(共訳)など。
  • 三木 一彦:1971年京都府生まれ。文教大学教育学部准教授,博士(文学)。訳書に『ヨーロッパ—文化地域の形成と構造』(共訳),論文に「秩父地域における三峰信仰の展開」,「江戸における三峰信仰の展開とその社会的背景」,「アルザスにおける言語の現状とその地域性」,「フランスにおける地域言語の推移 と現状」など。

目次

第一部 フランスの形成

第一章 ガリアの地峡

  1. ケルト人の空間(ケルト人以前—さまざまな先史文化—/ケルト人、リグリア人、イベリア人/ガリア/ガリアの地理的様相/ガリアの一体性)
  2. マルセイユと「錫の道」(地中海と北西ヨーロッパをむすぶ初期の交易路/マルセイユ創建の地理的意味/マルセイユの発展と植民活動/マルセイユの商業と「錫の道」/ガリアにおけるギリシャ文化の影響)

第二章 ローマの影響

  1. ガリアの空間編成(属州/ライン川の境界/道路網/ガリアの領域区分/都市配置の変化/ガリアの一体化)
  2. ローマ期ガリアの地域景観(都市の構造とプラン/農村景観におけるローマの刻印/新しい作物—ブドウ栽培の漸進的な拡大—)

第三章 ガリアからフランスへ

  1. 住民の変化(北部と東部における新たな言語境界/言語境界線を越えてのゲルマン人の定着)
  2. 土地占居および景観への影響(人口減少とその帰結 /都市の維持と衰退、名称の変化/農村景観の変容)
  3. 新たな領域編成(後期ローマ帝国の細分化/アクイタニアの継続性/ブルグント王国とブルゴーニュの起源/フランク人—政治的重心の移動—/周辺地域における民族領域形成)

第四章 フランスの誕生

  1. ヴェルダンの区分(南北方向の分割/地理的な均衡を意図したものであろうか/それとも単なる歴史的な偶然であろうか)
  2. フランス-名称とイメージ-(名称/概念—範囲の変化—/概念—学識的要素と宗教的要素—/イメージと象徴/国民意識の出現)
  3. フランスの国境(四河川の国境/中世および近世初期における「自然国境」概念の不在/自然国境—その理念と実現—/人為国境—フランス北部と北東部の境界線—)

第一部の結論

第二部 フランス国土の伝統的空間組織

第五章 主要な地域的コントラスト

  1. 文化の地域的差異(多様な言語空間/北と南)
  2. 農村景観における地域的差異の形成(共同体的な開放耕地システムの発達—その成立要因と発展過程—/開放耕地システムの地理的拡大と限界/フランスの北西部と南部)
  3. 社会経済的特性との結びつき(識字化/社会と生活水準—豊かなフランスと貧しいフランス—)

第六章 二次的な区分

  1. 領域の空間(二つの空間スケール—ペイと州—/パグスからペイへ—歴史地域「ペイ」の形成—/州/「乗馬者の空間」と「法の空間」)
  2. 認識の空間(領域の認識/自然地名の形成)
  3. 生活の空間(農民の空間/市民の空間—都市と農村—)
  4. 農業における専門化の始まり(専作(モノカルチャー)型農業と複合(ポリカルチャー)型農業/多様な主食作物の生産空間/商業的な農業地域の出現/ブドウ栽培地域の変化)
  5. 散在する工業(自然発生的工業と組織的工業/主要工業部門の分布/工業の地域的様相/伝統工業と景観)

第二部の結論

第三部 近代のフランス—空間構造の求心化と多様化—

第七章 パリへの集中

  1. パリの発展(地理的条件/政治中心への成長/フランスの核心/パリの勢力圏)
  2. パリの地理的効果(パリの農業空間/パリを中心とする交通路)
  3. 文化の都
  4. むすび

第八章 文化の統合と多様性—作用と反作用—

  1. 精神的統合の達成(歌と民話 349/文明と言語/国土空間の合理化—「県」の成立—/フランス巡回(ツール・ド・フランス))
  2. 地域的差異(いくつかの事例—民芸品、衣装、ダンス—/地域文化から地域主義へ/宗教的気質・政治的気質にみられる地域的差異の形成/拒絶)

第九章 経済空間の分化

  1. 農業的土地利用の新地図—専門化の進展—(南フランスにおける農業変化/ラングドック地方におけるブドウ栽培の発達/北フランスのブドウ栽培地域に与えた影響/畜産業への専門化と牧畜地域/森林の拡大)
  2. 散在型工業から工業地域へ(散在型工業の衰退と存続/工業活動の新しい立地場所/主要都市における大規模な工業集積)
  3. 広域市場と地方産品(地方名産品の発展/産地の範囲拡張)

第十章 農村からの人口流出と都市化

  1. 新しい都市の出現(近世—国家空間を枠づける都市建設—/19世紀と20世紀—工業都市・観光都市の形成—)
  2. 農村から都市へ(短期的な人口移動/農村からの人口流出)
  3. 都市成長の地理的側面(都市化の過程—リズムと階層—/都市化の要因/都市化がもたらした地理的変化)
  4. 都市ネットワークの形成(ネットワーク形成の歴史的過程/階層化の諸原理)

第三部の結論

フランス文化の歴史地理学書影
  • 発行日:
  • 判型:A5判
  • ページ数:626ページ
  • 定価:本体8,600円(税別)
  • ISBN:978-4-8176-0237-4
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