トルコの見方

国際理解としての地誌

概要

トルコの見方 —国際理解としての地誌—』は,トルコの地域の様々な事象を関連づけ,異文化理解や開発教育などの国際理解的な視点を取り入れながら,トルコの地域像を描き出し地誌的にまとめた本です。トルコに対する著者の素朴な関心が20年来にわたるトルコ訪問となり,現地調査・データ・交流で得られた知見が豊富な写真と図版によって述べられています。

説明

本書の構成

  • 序章では,トルコと日本の関係について,第1章と第2章では,イスタンブルとアンカラの街の歴史を検証,発展形成を紹介。第3章では,地中海地方とエーゲ 海地方の観光開発問題を,第4章では,家屋から文化を読み解く事例を紹介。第5章ではアナトリア地方の自然環境とクルド問題を,第6章では学校教育におけ るアイデンティティの育成について述べています。

著者プロフィール

  • 西脇 保幸:1949年千葉県生まれ。1974年東京教育大学大学院修士過程修了(地理学)。現在は,横浜国立大学人間科学部教授。専門は地理教育論・トルコ研究。

目次

はじめに

序章 トルコと日本

(相互のイメージ形成と国交までの足取り/交流の深まりと経済関係の緊密化/日本との比較から見たトルコの自然)

第1章 イスタンブルとマルマラ海地方

(イスタンブルの歴史と地域構造/「経済首都」としてのイスタンブル/欧亜の架け橋/オスマン朝初期の帝都ブルサとエディルネ)

第2章 アンカラと内アナトリア地方

(共和国の歴史とアンカラの地域構造/大都市問題としてのゲジェコンドゥ/ルーム=セルジューク朝の古都コンヤ/世俗主義化のイスラム教徒の生活/内アナトリア地方の自然と生活)

第3章 地中海地方からエーゲ海地方へ

(地中海地方の自然と生活/進む観光開発とその課題/地中海地方の二つの拠点アンタルヤとアダナ/エーゲ海地方の自然と生活/トルコ第三の大都市イズミル)

第4章 黒海地方

(黒海地方の自然と生活/トラブゾン帝国の港町トラブゾンの盛衰/サフランボルとトルコの家屋)

第5章 アナトリア東部の両地方

(アナトリア東部の自然と生活/経済基盤の弱い都市と人口の流出/南東アナトリア開発計画(GAP)/「クルディスタン」とクルド問題)

第6章 トルコとトルコ人

(学校教育におけるアイデンティティの育成/汎トルコ主義と「外のトルコ人」/トルコはどこへ)
トルコの見方書影
  • 発行日:
  • 判型:A5判
  • ページ数:230ページ
  • 定価:2,090円(本体:1,900円)
  • ISBN:978-4-8176-0172-8
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