いとちりの防災教育にGIS

自然災害にそなえる地図の見方・作り方

概要

「いとちりの防災教育にGIS」は,高等学校の地理総合での地図・GISを活用した防災教育について、地図の収集から作成方法までを平易に解説した本です。また、全国21の災害事例について背景や被害状況を豊富な地図で示し得られる教訓を紹介しており,地理教育に携わる全ての人々に必携になっています。

説明

著者プロフィール

静岡県立高等学校地理歴史科教諭、日本地図学会・学校GIS教育専門部会主査、NPO法人「伊能社中」ティーチング・フェロー。1973年静岡県生まれ。立命館大学大学院文学研究科地理学専攻博士前期課程修了。教育現場のニーズを踏まえ、「ほぼ無料」「教科書準拠」をモットーに、デジタル地図を使った教材と、作り方のノウハウを多数発表している。生徒からも同僚からも「いとちり先生」と呼ばれ親しまれている。「ランキングマップ世界地理」(ちくまプリマー新書)、「地図化すると世の中が見えてくる」(ベレ出版)、「地図化すると世界の動きが見えてくる」(ベレ出版)などの著書がある。

目次

1章 「GIS」と「防災」は2トップ―すべての高校生が学ぶ地理総合

・1-1 「地理総合」の3つの柱と3つのステージ
・1-2 ハザードマップと地理教育
・1-3 「地理」だけではない防災教育
・1-4「オートマ」と「マニュアル」―避難所分布図を描いてみる
・1-5 読図から作図へ―災害理解から地図表現へ

2章 「ハザードマップを作ってみよう―身近なリスクと地域課題を考えるために

・2-1 ハザードマップを手に入れる―現物とデータ
・2-2 紙地図に印刷して教材にしてみよう
・2-3 ハザードマップに位置情報を載せてみよう
・2-4 地形図をGoogle Earthで見る
・2-5 地理院地図で情報を重ねてみよう
・2-6 国土数値情報の利用①―津波ハザードマップを作る
・2-7 国土数値情報の利用―洪水の浸水深マップを作る
・2-8 ハザードマップをモバイル端末で持ち歩こう

3章 防災でめぐる日本―災害の教訓と先人の知恵を学ぶ

・3-1 他山の石の重要性―危ないところ探しから教訓の追体験へ
・3-2 試される大雪との共存(北海道札幌市)
・3-3 「ブラックアウト」の教訓(北海道胆振東部地震)
・3-4 津波の爪痕を伝える(宮城県多賀城市)
・3-5 「釜石の出来事」のその後(地図で見る釜石市の復興過程)
・3-6 持ち出すGISで記憶をつなぐ(新潟県長岡市)
・3-7 「村」を取り戻す(福島県飯舘村)
・3-8 大火災から下町を守れ(東京都墨田区)
・3-9 100年続いた噴火の二次災害(神奈川県山北町)
・3-10 冬晴れのくにの大豪雪(山梨県)
・3-11 水の恵みと土石流(静岡県富士市)
・3-12 島をつなぎ、川を分かつ輪中(三重県桑名市)
・3-13 関ヶ原は今日も雪だった(関ヶ原の新幹線ルート)
・3-14 “みやこ”の守りと洛中・洛外(京都市)
・3-15 想定された洪水・予想外の水害(2018西日本豪雨など)
・3-16 土石流の教訓を教材化するには(広島市安佐南区)
・3-17 “坂の街”の空き家問題(広島県尾道市)
・3-18 「津波の高さ日本一」の町で考えたこと(高知県黒潮町)
・3-19 地下街と都市洪水(福岡市天神・博多地区)
・3-20 寛政と平成の「大変」(長崎県島原市)
・3-21 水を失った水の国(2016年熊本地震)
・3-22 川だけ地形図で戦後史を読む(沖縄県那覇市)

4章 地理教育と地理教員のこれから―防災とGISから考える

・4-1 希少な地理プロパー(地理屋)とその問題
・4-2 新科目の前では全員が「ニュープロパー」である
・4-3 防災教育の分野は誰もが「ニュープロパー」
・4-4 「つながり」と「シェア」を深める
・4-5 外国とのつながりを深める
・4-6 “ニュージオグラファー”との連携・育成
・4-7 2032年の地理教育にむけて

いとちりの防災教育にGIS書影
  • 発行日:
  • 判型:B5判
  • ページ数:176ページ
  • 定価:2,750円(本体:2,500円)
  • ISBN:978-4-8176-0524-5
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