序章 祝祭と暴力:スティールパンとカーニヴァルの文化政治
- スティールパン:その発祥と移動
- カーニヴァルとカーニヴァル性
- カリブ海地域と暴力
- トリニダード島:複層する二項対立
- ニューヨーク:グローバル都市のローカリズムと超大国イデオロギー
- ブルックリン・カーニヴァルとクラウンハイツ暴動
- 九.一一
- 本書の構成
1章 カーニヴァル:陶酔と熱狂のトリニダード
- カリプソ/ソカ
- マス/マスカレード
- <コラム>オールド・マスとキッディー・カーニヴァル
- スティールパン/スティールバンド
- <コラム> ジュヴェ
2章 スティールバンド・ムーヴメント
- 太鼓から竹棒へ、そしてブリキ缶へ:スティールパン誕生前史
- スティールパンの生みの親たち:楽器制作者、作編曲家、バンドリーダーとして
- トリニダード・トバゴの「国民楽器」:世界の近代史を刻みこんで
- <コラム>パン・アラウンド・ザ・ワールド:NY、トロント、ロンドン、マイアミ、スイス、フランス、台湾、香港、そして日本
- <コラム>スティールパンにはまるための実践講座(演奏形態/楽器の種類/スティールパンを習う・演じる/スティールパンをつくる/スティールパン製作過程)
3章 黒人大学留学日記
- 全ては同じ「アフリカ」というイメージのもとに
- 「聖なる演劇」の聴衆約30人。空回るメッセージ
- 「本物のアフリカ」に向け披露されたアフリカン・ドラム&ダンス
- 現代文明の起源にアフリカありき? 壮大なる「黒人神話」
- 奴隷交易の歴史を胸に刻む:ミドル・パッセージ・セレモニー
- 大学側の理念、学生の現実をみる目、「人種」という暴力が両者を縛る
- 体感させるジャズ史の授業が、黒人という枠を飛び越えた
4章 ニューヨークのカリビアン:ブルックリン・カーニヴァルとクラウンハイツ暴動
- 一九二〇年代にはじまったハーレムのカーニヴァル
- カルロス・レザマとブルックリンのカーニヴァル
- トリニダードのカーニヴァル:マス、カリプソ、スティールバンド
- N.Y. ジュヴェ
- 黒人運動、反ユダヤ主義、レーガン政権、警察
- クラウンハイツ:暴動への布石
- クラウンハイツ:暴動、運動家と生活者
- その後、そして今日
5章 今、振り返る始まりの時:九・一一 N.Y. レポート
- Day 1(2001/09/11)
- Day 1(2001/09/11)
- Day 3(2001/09/13)
- Day 4(2001/09/14)
- Day 6(2001/09/16)
- Day 9(2001/09/19)
6章 Pan in Japan:日本におけるスティールパンの受容と普及
- はじめに(楽器研究の新しい方向/スティールパンの六つの特色/「ワールド・ミュージック」を境に時代を二分する)
- ワールド・ミュージック以前:プロの時代 (〜1989)(「見世物」としてスティールバンド/プロによる「楽器の発見」/「スチールドラム」という電子音/「南海の楽園」/日本人による初のスティールバンド)
- ワールド・ミュージック以降:アマチュアの時代(1990〜)(「音楽の発見」/日本人スティールバンドの勃興/スティールバンドの演目/「スティールパンを作り演じる」という教育活動/ワールド・ミュージック以降のプロ)
- 4. むすび
付録DVD-Video
- トリニダードのカーニヴァル
- マス/マスカレード,コスチューム・コンクール,タンブー・バンブー,スティールパン
- 製作と演奏
- スティールパンを作る,スティールパンの演奏(ジムノペディ 1番/サティ)