祝祭と暴力

スティールパンとカーニヴァルの文化政治

概要

祝祭と暴力 —スティールパンとカーニヴァルの文化政治—』は,カリブ海の・トリニダード島で生まれた国民文化を紹介するとともに,カリブ海出身者の多く暮らすニューヨークの移民社会にも鋭く迫る本です。同時多発テロを経て移民たちが「アメリカ人」へ統合されていった九日間の現地レポート,日本におけるスティールパンの普及過程など、多方面で活躍する著者ならではの臨場感溢れる内容です。32ページカラー口絵写真集,DVD-Videoも付録しました。

説明

著者プロフィール

  • 冨田 晃:弘前大学教育学部助教授。1963浜松生まれ,1995職業訓練大学校木材加工科卒業,1988東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了(デザイ ン),1989-1991青年海外協力隊隊員(ホンジュラス共和国,造園),1992-1995 Akira Art Office および Grupo Garifuna LITA ARIRAN主宰 (ホンジュラス共和国),1995 日本国政府アンコール遺跡救済チーム参加(カンボジア,考古・人類学班),1996東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所短期共同研究員(カリブ 海地域の音楽),1998 ニューヨーク市立大学メドガー・エバーズ・カレッジ留学,1999埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了(文化人類学),2000-2002 国際協力事業団技術協力専門家(メキシコ,木材乾燥技術),2003東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程単位取得退学,2005テネシー州立 大学マーチン校客員教授(写真)
  • 『季刊民族学』千里文化財団,『ラテンアメリカ・カリブ研究』つくばラテンアメリカ・カリブ研究会,『Latina』ラティーナ,『情況』情況出版,『アサヒグラフ』朝日新聞社,『クロスロード』JICA青年海外協力隊事務局,などに論稿多数。
  • 写真に関しては,「日本・ホンジュラス写真展」カサ・デ・ディエゴ・リベラ美術館(メキシコ)ほか1993,写真展「ガリフナ族と中央アメリカの 人々」(東京・神戸・新潟・富山)協賛:日本万国博覧会記念協会基金 後援:ホンジュラス大使館1994,写真集『カリフナ こころのうた』現代企画室1995,「ナショナル・ジオグラフィック・ジャパン第一回フォトコンテスト」大賞1997, 写真展「カリブに響く情熱のリズム:トリニダードのカーニバルとスティールパン photo by 冨田晃」たばこと塩の博物館(東京)2004,写真展「津軽/TSUGARU」田中屋画廊(弘前市)・Fine Art Gallery UTM(米国・テネシー)2005など。
  • 弘前大学スティールパン部顧問・弘前大学津軽三味線サークル顧問
  • 所属学会:日本文化人類学会・日本ラテンアメリカ学会・美術科教育学会・大学美術教育学会

目次

序章 祝祭と暴力:スティールパンとカーニヴァルの文化政治

  • スティールパン:その発祥と移動
  • カーニヴァルとカーニヴァル性
  • カリブ海地域と暴力
  • トリニダード島:複層する二項対立
  • ニューヨーク:グローバル都市のローカリズムと超大国イデオロギー
  • ブルックリン・カーニヴァルとクラウンハイツ暴動
  • 九.一一
  • 本書の構成

1章 カーニヴァル:陶酔と熱狂のトリニダード

  • カリプソ/ソカ
  • マス/マスカレード
  • <コラム>オールド・マスとキッディー・カーニヴァル
  • スティールパン/スティールバンド
  • <コラム> ジュヴェ

2章 スティールバンド・ムーヴメント

  • 太鼓から竹棒へ、そしてブリキ缶へ:スティールパン誕生前史
  • スティールパンの生みの親たち:楽器制作者、作編曲家、バンドリーダーとして
  • トリニダード・トバゴの「国民楽器」:世界の近代史を刻みこんで
  • <コラム>パン・アラウンド・ザ・ワールド:NY、トロント、ロンドン、マイアミ、スイス、フランス、台湾、香港、そして日本
  • <コラム>スティールパンにはまるための実践講座(演奏形態/楽器の種類/スティールパンを習う・演じる/スティールパンをつくる/スティールパン製作過程)

3章 黒人大学留学日記

  • 全ては同じ「アフリカ」というイメージのもとに
  • 「聖なる演劇」の聴衆約30人。空回るメッセージ
  • 「本物のアフリカ」に向け披露されたアフリカン・ドラム&ダンス
  • 現代文明の起源にアフリカありき? 壮大なる「黒人神話」
  • 奴隷交易の歴史を胸に刻む:ミドル・パッセージ・セレモニー
  • 大学側の理念、学生の現実をみる目、「人種」という暴力が両者を縛る
  • 体感させるジャズ史の授業が、黒人という枠を飛び越えた

4章 ニューヨークのカリビアン:ブルックリン・カーニヴァルとクラウンハイツ暴動

  • 一九二〇年代にはじまったハーレムのカーニヴァル
  • カルロス・レザマとブルックリンのカーニヴァル
  • トリニダードのカーニヴァル:マス、カリプソ、スティールバンド
  • N.Y. ジュヴェ
  • 黒人運動、反ユダヤ主義、レーガン政権、警察
  • クラウンハイツ:暴動への布石
  • クラウンハイツ:暴動、運動家と生活者
  • その後、そして今日

5章 今、振り返る始まりの時:九・一一 N.Y. レポート

  • Day 1(2001/09/11)
  • Day 1(2001/09/11)
  • Day 3(2001/09/13)
  • Day 4(2001/09/14)
  • Day 6(2001/09/16)
  • Day 9(2001/09/19)
6章 Pan in Japan:日本におけるスティールパンの受容と普及
  1. はじめに(楽器研究の新しい方向/スティールパンの六つの特色/「ワールド・ミュージック」を境に時代を二分する)
  2. ワールド・ミュージック以前:プロの時代 (〜1989)(「見世物」としてスティールバンド/プロによる「楽器の発見」/「スチールドラム」という電子音/「南海の楽園」/日本人による初のスティールバンド)
  3. ワールド・ミュージック以降:アマチュアの時代(1990〜)(「音楽の発見」/日本人スティールバンドの勃興/スティールバンドの演目/「スティールパンを作り演じる」という教育活動/ワールド・ミュージック以降のプロ)
  4. 4. むすび

付録DVD-Video

  • トリニダードのカーニヴァル
    • マス/マスカレード,コスチューム・コンクール,タンブー・バンブー,スティールパン
  • 製作と演奏
    • スティールパンを作る,スティールパンの演奏(ジムノペディ 1番/サティ)
祝祭と暴力書影
  • 発行日:
  • 判型:A5判
  • ページ数:187ページ
  • カラー口絵32ページ,DVD-Video付録
  • 定価:本体2,800円(税別)
  • ISBN:978-4-8176-0235-0
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