南スーダン共和国(The Republic of South Sudan)を日本が国家承認

2011年7月9日

南スーダン共和国(The Republic of South Sudan)が2011年7月9日に独立し,日本政府は同日に国家承認しました。これにより,日本が承認した国は194か国となります。南スーダン共和国は,面積約64.4万平方km,人口約826万人(2008年)の国家です。弊社では首都はジュバ(Juba)と表記します。2011年7月14日には国連加盟を果たし,193番目の国連加盟国となりました。

英文国名につきましては,南スーダン共和国憲法第1条(1)に,「South Sudan is a sovereign and independent Republic, and it shall be known as “The Republic of South Sudan.” 」と明記されており,日本の外務省ウェブサイトもこの表記に従っております。

South Sudan Independence Day
South Sudan Independence Day (USAID Photo / Jenn Warren)

南スーダンは,アフリカ大陸の中央部にある内陸国で,白ナイル川が南から北へと流れ,スッドとよばれる広大な湿地帯と氾濫原が東部を占めています。主要民族はディンカ族・ヌエル族・シルック族などナイル系で,宗教は伝統信仰とキリスト教が大半を占めています。イスラム教中心のスーダン(北部)とは,対立が続いていました。特に,1983年にイスラム法がスーダンで導入されて以 降,南部ではディンカ族が主導するスーダン人民解放軍(SPLA)のゲリラ活動が活発化し,スーダンは内戦状態に突入しました。

2002年より南北スーダンの和平交渉が始まり,7月に南部の民族的自決と宗教的自由を柱とするマチャコス議定書が調印され,2005年1月,ケニアのナイロビで,スーダン内戦を終結させる南北包括和平合意(CPA)が署名されました。これにより,南部スーダンには自治政府が設置され,6年後の 2011年に南スーダン分離独立の是非を問う住民投票を実施することが合意されました。2011年1月の住民投票の結果98.83%が独立に賛成し,7月 9日に独立の日を迎えることになりました。

しかし,南北スーダンの境界にある,石油を豊富に埋蔵するアビエイ地区の帰属が未解決であり,南北スーダンでの石油権益の分配についても,合意ができていません。また,内戦で衰退した農業の復活など,石油以外の産業の振興が課題となっています。