激動するスロヴァキアと日本 -家族・暮らし・人口-/二宮書店

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激動するスロヴァキアと日本 -家族・暮らし・人口-

『激動するスロヴァキアと日本 -家族・暮らし・人口-』は、旧社会主義国で著しい未婚化・晩婚化・少子高齢化などによる暮らしの変化,人口・家族・教育・生活の変化について,スロヴァキアと日本を比較・詳述した本です。

激動するスロヴァキア -家族・暮らし・人口-

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小林 浩二・小林 月子・大関 泰宏(編・著)

A5判/176ページ

2008年3月10日発行

2,800円(税別)/2,940円(税込)

ISBN978-4-8176-0326-5 C3025

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まえがき

近年,日本では,未婚化,晩婚化,少子化,高齢化などが急速に進行しつつある。結婚しない若者たち,あるいは結婚を先のばしにする若者たち,出産しない女性たち,あるいは出産を先延ばしにする女性たち,結婚前の妊娠や「できちゃった婚」は,すでに目新しい現象ではなくなった。この間,離婚も増えた。若い人たちだけでなく中高年も離婚にふみきっている。寿命の延びにともなって,介護を必要とする高齢者が増加している。人々のライフスタイルは着実に変化している。家族の形成と解体にかかわりの深いこうした現象は,直接的には個々人のものの考え方や行動様式の変化として出現しているが,その背景には,そうした変化を生み出す社会的・経済的・文化的要因がひかえている。人々の生活の舞台である地域の変化も著しい。大都市への人口移動は相変わらず続いており,都市と農村の地域格差は拡大している。住民の生活に深く関わる行政のしくみや教育制度も変化した。

眼を世界に広げると,こうした現象はさまざまな国で生じている。とりわけ旧社会主義国では,体制変換後,急激に国民の暮らしが変化した。そうした変化は,ポーランド,チェコ,スロヴァキア,ハンガリーなどのいわゆる中央ヨーロッパ諸国においてとくに著しい。これらの国々では,未婚化,晩婚化,少子化,離婚の増加,高齢化などが急激に進行している。また,都市と農村間の格差が引き起こす諸問題は,こうした国々における重大な社会問題・政治問題となっている。

わたしたちは,こうした中央ヨーロッパ諸国のなかの一国であるスロヴァキアをとりあげ,日本との比較研究をしようと思い立った。さいわいにも,ムラーデク教授をはじめとするコメニウス大学地理学研究室との共同研究体制も整い,日本学術振興会からは3年にわたって財政的援助を受けることが出来た。2001年度から2003年度までの3年間,わたしたちはスロヴァキアの各地を訪れ,人々の暮らしの変化を目の当たりにした。同様に,この間コメニウス大学の研究仲間も日本を訪れ,これまた,日本の人々の暮らしの変化をじっくりと観察したのである。文化も歴史も異なる二つの国のなかで,人々の暮らしや行動様式に関して生じている変化の内容は非常に興味深いものだった。

わたしたちの共同研究の成果をまとめたのが,この本である。本書は,2004年11月に岐阜大学で開催した国際研究集会「家族・地域・暮らしの変化 -日本とスロヴァキア-」がもとになっている。

本書の内容を手短に述べておこう。本書は11章から成っており,内容的に大きく4つに分けられる。第1は,人口分布や人口の変化や予測などに関する研究である(1章,2章,6章)。第2は,家族の形成や解体に関する行動の変化を扱った研究である(3章,4章,5章)。第3は,教育の内容や教育制度の変化に関する研究である(7章,8章)。第4は,地域や地域住民の生活の変化に関する研究である(9章,10章,11章)。

この本をとおして,スロヴァキアという国の素顔が少しでも覗ければ,また,日本の変化の特徴が少しでも明らかになれば執筆者一同にとってこれに勝る喜びはない。

2007年12月

執筆者を代表して,
紅葉あざやかな岐阜大学キャンパスにて  

小林浩二
小林月子
大関泰宏

目次

  • まえがき
  • 第1章 スロヴァキアにおける近年の人口変化 -「第二の人口転換」にてらして-
    ヨゼフ・ムラーデク,ヤナ・マレンチャーコヴァー(中川聡史 訳)
  • 第2章 スロヴァキアにおける人口分布の変化
    ダグマル・クセンドヴァー  大関泰宏 訳
  • 第3章 スロヴァキアと日本における家族形成行動 -同棲,婚外出生-
    ヨゼフ・ムラーデク,ヤナ・シロチュコヴァー(清水昌人 訳)
  • 第4章 家族の形成と解体 -日本とスロヴァキア-
    ヤナ・シロチュコヴァー,ヨゼフ・ムラーデク(小林月子 訳)
  • 第5章 スロヴァキアの婚外出生
    清水昌人
  • 第6章 スロヴァキアの人口予測
    ブラニスラフ・ブレハ(清水昌人 訳)
  • 第7章 地理教育の制度と内容 -変動期のスロヴァキア-
    大関泰宏
  • 第8章 教育制度の現状と教育水準の変化 -日本とスロヴァキア-
    フィロヴァー・ヴァレーリア(大関泰宏 訳)
  • 第9章 地域住民の生活実態と定住条件 -日本とスロヴァキア-
    小林浩二
  • 第10章 高齢者介護の比較研究 -日本とスロヴァキア-
    小林月子
  • 第11章 スロヴァキアの首都ブラティスラヴァの変化  
    パヴォル・コレツ(小林浩二 訳)
  • あとがき

著者プロフィール

小林 浩二
1946年埼玉県生まれ。岐阜大学教育学部教授・理学博士。専門分野はドイツ・ヨーロッパ地誌学,農業地理学。ヨーロッパの旧社会主義国に関連した著作多数。
小林 月子
1949年熊本県生まれ。岐阜大学教育学部教授。専門分野は福祉社会学,農村社会学。
大関 泰宏
1958年福島県生まれ。岐阜大学教育学部教授。専門分野は地理教育,人口地理学。
リンク

以下のサイトで書籍をご紹介いただきました。ありがとうございました。

日本チェコ協会/日本スロバキア協会「ブックガイド」
http://home.att.ne.jp/gold/czsk/
関西チェコ・スロバキア協会「新刊のご案内」
http://www.kjcss.com/

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