農業変化の歴史地理学

概要

農業変化の歴史地理学』は,1982年に刊行されたグリッグの名著「The Dynamics of Agricultural Change」の日本語訳です。農業経済史などに興味がある人を対象とした,農業の歴史を解釈するための概説的な手引き書となっています。

説明

背表紙より

  • 本書は,1982年に刊行されたグリッグ著「The Dynamics of Agricultural Change」の日本語訳で,農業変化をもたらす諸要因を考察したものである。グリッグは農業地理学を専門とする学者で,イギリスのシェフィールド大学教授としてこれまで多くの著作を発表してきた。
  • 本書は,農業変化という古くから関心をもたれてきたテーマについて,新しい着眼点や手法の登場により近年の研究がどのような展開をみせているかを概観した概説的な手引書となっている。
  • 1950年代〜1970年代にかけて農業地理学や経済地理学の分野で,新しい研究視点や分析手法がさかんに適用されたが,その流れを受けて地理学のどの分野においても伝統的な研究テーマを新しい視点で吟味しなおすという作業が活発におこなわれた。本書でも,生態系(エコシステム)の視点やチューネン・モデル,革新技術の伝播(拡散),農業生産性の測定など,そのころ注目を集めた研究のフレームワークが,近世以降における農業変化の解釈にどれほど有効であるかが注意深く検討されている。
  • 著者みずからがのべているように,農業経済史や歴史地理学に関心を持つ人々に対して,農業変化に関する従来の学説やモデルを幅広く検討することで,「農業の歴史を解釈したり,解釈しなおしたりするいくつかの刺激的な視点を提供する」ことが本書の主要なねらいである。

目次

第1部 人口と農業変化

(人口増加がもたらすマイナスの影響/人口増加がもたらすプラスの影響)

第2部 環境と農業変化

(価格・技術・環境/生態系としての農業システム/気候変化と農業の歴史)

第3部 工業化と農業変化

(小農社会の性質/構造転換と転換期/需要の変化と新しい技術/輸送と農業変化)

第4部 農業変化の速度

(農業技術の革新と伝播/農業生産性の変化/ヨーロッパの農業革命)

第5部 制度と農業変化

(階級・地域・革命/フロンティアの存在/結論)
農業変化の歴史地理学書影
  • 発行日:
  • 判型:A5判
  • ページ数:264ページ
  • 定価:1,980円(本体:1,800円)
  • ISBN:978-4-8176-0182-7
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