オランダ領アンティルの解体はどうなった?

オランダ領アンティルが2008年12月15日限りで解体されると聞いたが,現状はどうなってますか?

オランダ領アンティルは,2010年10月10日に解体されました。

現在,オランダ王国(Kingdom of the Netherlands)は,オランダ本土,アルバ,キュラソー,シントマールテンという対等な関係をもつ4地域から構成されています(アルバ,キュラソー,シントマールテンはEUの外部領域には含まれない)。

アルバ,キュラソー,シントマールテンは,オランダ王国内の自治国(自治領)(autonomous countries)となり,かつてオランダ領アンティルを構成していたボネール島,シントユースタティウス島,サバ島のBES3島は,オランダ本土の海外特別市(special Dutch municipalities under direct jurisdiction of the Netherlands)となりました。

経緯

オランダ領アンティルは,キュラソー島,ボネール島,シントマールテン(サンマルタン島の南半分),シントユースタティウス島,サバ島の5地域から 構成されていましたが,ベネズエラの北沖にあるキュラソー島,ボネール島と,他の3島が地理的に離れていること,各島に経済的格差があることなどが問題となっていました。

2000年に各島で実施された住民投票の結果,2008年12月15日限りで解体されることが決定しました。しかし,解体に伴い各島の地位をどうす るか,EUとの関係をどうするかなどの調整がつかず,2008年12月15日にキュラソー島のウィレムスタッドでオランダ本土,アルバ,オランダ領アン ティルによる円卓会議が開催されたものの,実際の解体は先送りにされてきました。2009年3月15日には,キュラソー島で住民投票が行われ,オランダ王 国内の独立した構成地域となることについて,52%の住民が賛成しました。そして,オランダ議会がオランダ領アンティルの解体を承認しました。