国名や首都名の表記について

国名や首都名の表記はどのように決めていますか?

文部科学省の検定を受ける教科書・地図帳は,国名の表記について,外務省の『国名表』に基づき作られる『世界の国一覧表』(外務省編集協力,財団法 人世界の動き社発行)によることが定められていました(高等学校教科用図書検定基準,別表)。また,首都名についても,基本的には『世界の国一覧表』によって作ってきました。

しかし,世界の動き社が解散し,『世界の国一覧表』は2007年版を最後に廃刊となりました。現時点では,外務省ウェブサイト「各国・地域情勢」で用いられている表記が外務省の公式見解となっています。

教科書の検定規準は,「 (2)外国の国名の表記は,原則として外務省公表資料等信頼性の高い資料によること。」と改められました。しかし,外務省のウェブサイトに表記されている国名・首都名には不統一があり,V(ヴ)音に関する統一的な表記ルールがなく,従来の『世界の国一覧表』での表記との違いがあります。

そのため,従来の『世界の国一覧表』と外務省ウェブサイトの表記に違いのあるもの,国の独立・承認,国名の変更,首都の移転,地名の変更などが判明した際,個別に検討の上,訂正申請を行っています。弊社としての国名・首都名(和文・英文)の表記の見解は,「データブック オブ・ザ・ワールド」に掲載している通りです。

なお,弊社の書籍では,『世界の国一覧表』の凡例にある通り,通常首都といわれている都市を首都としており,必ずしも法律上のものではありません。

  • イスラエルはテルアヴィヴで独立宣言をし,しばらく同市を首都としていましたが,現在はエルサレムを首都としています。ただし,国際的な承認は得られていません。
  • コートジボワールの首都はヤムスクロですが,実質的な首都機能はアビジャンにあります。
  • 南アフリカは,2005年5月26日に南ア地名評議会(SAGNC)がプレトリアをツワネに改名する案を認めるなど,地名の変更が進んでいますが,対外的には従来の地名も併用しており,外務省のHPでも首都はプレトリアのままです。
  • ボリビアの法律上の首都はスクレですが,事実上の首都であるラパスを首都としています。
  • ナウル共和国には法律上の首都は存在しません。政庁がヤレン地区に立地しています。