人口ピラミッドの先進国における類型分け

人口ピラミッドの先進国における類型分けはどのように行うのが適当でしょうか?

人口ピラミッドは過去の出生・死亡や人口の流入・流出の累積的結果であり,その時点での人口構造の特徴を視覚的に理解するのに役立つものです。

一つの目安として,人口ピラミッドを形から分類すると,富士山型(ピラミッド型),釣り鐘型(ベル型),つぼ型(紡錘型),星型(都市型),ひょうたん型(農村型)の五つの類型に分類できます。

富士山型は多産多死の段階にある発展途上国によくみられる型,釣り鐘型は人口が増減しない状態で人口の停滞および安定を示している型です。つぼ型は,出生数の減少によって自然増加率がマイナスになり将来人口の減少が予想される型,星型はつぼ型が出生数の回復に よって再びすそのがひろがった型です。ひょうたん型は富士山型が出生数の急激な減少によってつぼ型となり,その後出生数がやや増加して裾野がひろがり星型に近くなり,再び出生数が減少したものです。

これに対し,一般的に人口ピラミッドは,経済の成長に伴って富士山型→釣り鐘型→つぼ型と変化する傾向があります。しかし,先進国の人口ピラミッドは, 人口ピラミッドの類型にすべてうまく合致するわけではなく,あくまでも類型に近い型で分類されます。人口ピラミッドは,あくまでもその時点での人口構造の形 (形態)を説明するものだからです。

たとえば,日本の場合では,昭和25年の「富士山型」,昭和35年の「つぼ型」,昭和50年の「星形」,昭和60年の「ひょうたん型」という見方を経て,平成17年には55~59歳と30~34歳を中心とした二つの膨らみを持つ「逆ひょうたん型」となっています。

最近のように各国で人口政策が急速に実施されると,今まで国内レベルで考えていた星形やひょうたん型も,国家レベルで考えていかなければならなくなるかもしれません。